「破滅の先へ」から学んだこと

ゆっくりパッチ5.1を振り返りましょう

皆さん、こんにちは!「破滅の先へ」が終了したので、そこから私たちが学んだことについてお話しします。過去のパッチを振り返るのは今回が初めてなので、このパッチはもちろん、このような形でワイルドリフトの設計に関して議論することについても、皆さんからのフィードバックをお待ちしています。前置きはこれくらいにして、「破滅の先へ」で私たちが学んだことのトップ5をご紹介します。

テーマに合わせたイースターエッグ vs 大きなゲームプレイの変化

「破滅の先へ」は、ワイルドリフトで初めてテーマを持ったパッチの取り組みでした。パッチの開始時にはコミュニティーから大きな注目を集め、ルーンテラの物語をもっと語って欲しいという期待が寄せられていましたが、多くのプレイヤーはゲームプレイにもっと大きな変化を望んでいたことは明白でした。 

  • 「破滅」と「光」のアイテムはアイデアとしては面白かったものの、バランス調整に苦労しました。

  • 「滅びのフルーツ」と「破滅の霧」は、革新的でしたが、あまり活かされなかったようです。

今後はゲームプレイにもっと大きな変化をもたらして、サモナーズリフトやランダムミッド、その他のゲームモードのメタを根本から変えるようなものを登場させるつもりです。メタを大きく変化させると、バランスに問題が発生するというリスクもありますが、革新性の低い小規模な変更を少しずつ行うよりも、大胆な変化をもたらしてから、パッチ期間中をかけて少しずつ改善を続けていく方が健全なやり方だと考えています。そして、これは次のトピックにも関わってきます…

物語は体験を深めるが、ゲームプレイの革新性を犠牲にするべきではない

幸いにも、開発パイプラインでカリスタ、ヴィエゴ、マオカイというシャドウアイル出身の3体のチャンピオンを近いタイミングで開発できたので、これらを「破滅」の1つのパッチにまとめてリリースすることができました。だからと言って、今後も同じ地域のチャンピオンたちをまとめてテーマを持ったパッチでリリースするという訳ではありません。何よりも優先すべきは革新性であり、将来のパッチでは物語と足並みを揃えて(遅れることなく)進められる方法を模索していくつもりです。

チャンピオンのリリース時の勝率への対応

数年前、PC版LoLの開発メンバーが、リリース直後のチャンピオンに関する基本理念についての記事を公開しました。この記事に書かれていることのほとんどはワイルドリフトにも当てはまりますが、いくつか注目すべき相違点があります。 

  • 大半のワイルドリフトプレイヤーは、PCでリーグ・オブ・レジェンドをプレイしたことがあります。このため、プレイヤーは比較的早いうちにチャンピオンをマスターし、長期的な均衡状態により早く到達します。 

  • また、ワイルドリフトのプレイヤーはPC版LoLのプレイヤーよりも、メタの大きな変化に対する許容度が高い傾向にあります。この自由度の高さを活かし、ワイルドリフトでは問題が発生しても素早く対応することができます。

たとえば、ヴィエゴとカリスタは私たちの想定よりもパワーレベルが低い状態でリリースされました。どちらもマスターするのに時間がかかるチャンピオンなので、リリース時の勝率が低くなるのは当然ですが、それでも、彼らがどのようにメタゲームに溶け込むかを考えたとき、私たちは彼らのパワーレベルを過小評価していました。

現在のメタはバースト傾向にあるので、ヴィエゴやカリスタのように終盤に強化されるスケーリングチャンピオンは、この環境では苦境に立たされます。将来的には、現在のメタにチャンピオンたちがどのように当てはまるのかについてバランスチームがもっと注意を払い、素早い修正を繰り返すことで、リリース時の問題に対処していきます。プレイヤーが新チャンピオンの習熟にリスクを感じるようなことがあってはいけませんので、細かなバランス調整を素早く何度も行って、長期的に安定するバランスを実現できるようにします。

ゲームモードはお口直しであり、さらなる調査を行うべき

「最後の戦い」はPvEの新たな試みであり、その上限に到達するために、プレイヤーは長い時間をかけてプレイしてくれました。 

これは、ゲームモードは「お口直し」であり、サモナーズリフトの核となるゲームプレイとは異なる、いい気晴らしになるという、私たちの基本的な考えに一致しています。ランク戦で敗北してフラストレーションを感じていたり、ランク戦のストレスから解放されて気軽に楽しみたいときには、友達と一緒に楽しめるゲームモードがいい気晴らしになります。 

多くのプレイヤーが新たなゲームモードを試してくれるとは思いますが、今後も数多くのゲームモードをリリースしていかなければ、誰もが何十時間も費やしたくなるくらいに夢中になれるゲームモードには辿り着けないでしょう。だからこそ、私たちはゲームモードを恒久的なものとしては維持せず、ローテーションゲームモードなどのイベントに頼ることで新しく予想外のサプライズを提供しています。 

PvEモードが再び登場することはあると思いますが、核となるゲーム体験の形ではなく、やりがいのある新たなゲームモードの一部として登場することになるでしょう。面白いことがやれそうなので、PvEvPの可能性についても考え中です!

ワイルドリフト限定のテーマは素晴らしく、多くの共感が得られる

「筆師」スキンシリーズは「破滅の先へ」期間中に登場した大規模なワイルドリフト限定スキンシリーズでした。このスキンシリーズの品質とデザインには、世界中のプレイヤーから共感を得られました。また、ジェイ・チョウのことを知っているプレイヤーは、懐かしい思いに浸ることもできました。

ルーンテラの物語構築に貢献できることから、限定スキンシリーズの実現は開発チームにとっても大きな喜びとなりました。また、長年に渡ってLoLをプレイしているプレイヤーにとっても、お気に入りのチャンピオンを新たな世界観で見る楽しみがありました。 

ワイルドリフトのコンテンツ戦略を考えるうえで、ワイルドリフト限定テーマは今後も重要なコンテンツとなっていくでしょう。今後もPC版LoLの主要なスキンシリーズはリリースされると思いますが、PC版LoLでリリースされているすべてのスキンがワイルドリフトでもリリースされるとは限りません。そうではなく、ワイルドリフト限定のテーマに注目して、ゲームプレイやイベント、スキンを繋げる、パッチ単位の大規模なテーマの舞台となる世界観を拡大していくつもりです。 

「破滅の先へ」イベントにご参加いただいた皆さんに感謝いたします。皆さんからの支援に感謝するとともに、今後も皆さんに楽しんでもらえる新たな体験を提供できるように努めていきます。それでは、ワイルドリフトでお会いしましょう!