/dev: ワイルドリフトのゲーム内イベントの開発舞台裏

ゲーム内イベントのプランニングやデザイン、開発には最長で一年かかります。ワイルドリフトのイベントができるまでの制作の舞台裏を覗いてみましょう!

こんにちは、Junoです。私はワイルドリフトのイベントチームのプロダクトリードをしています。私たちのチームは過去一年間に20以上のゲーム内イベントを開発しており、月の聖獣狩りを極めし者砕け散った刃、そして最近では光の番人を開発していました。これは私たちにとって初めてのdevブログであることから、皆さんのすべての質問に回答することはできないかもしれません。メッセージをお寄せいただけたら、今後のブログで回答いたします!

ワイルドリフトのゲーム内イベントを開発するために必要なもの

最初は機会、目標、アイデアから始めます。まずは一年間のカレンダーを眺めて、いくつのイベントを実施可能か考えます。次に、組織内の複数のチームと協力して、新たなコンテンツをお披露目する最善の方法について考えます。たとえば、私たちはよく設定的につながりがあるチャンピオンを組み合わせるという手法を取りますが、それはストーリーを考えることが大好きだからです!その後、デザインに取りかかり、達成したい目標の設定をします。

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[画像1] UXの骨組みは、暫定版のアセットを使って作成します。これをする一番の目的は、目に見える形で各イベント要素をまとめ上げることで、プレイヤーがイベント期間中にどのような体験をするのかシミュレートできるようにすることです。[画像2] その後、完全な形でイベントを実装できるよう、各UIやアセットを仕上げていきます。

イベントはプレイヤーがチャンピオンについて知り、新たなスキンを好きになり、eスポーツシーズン中に競技精神を感じることを手助けするものです。このような目標は“プレイヤーの旅路”を作り上げるデザインのアイデアを考えるために役立ちます。私たちはこうやって、ミッション(プレイヤーがイベントでやること)やメカニクス(プレイヤーがどのようにイベントを進行させるか)、報酬(プレイヤーがイベントで入手するもの)など、開始から完了まで、イベント全体をプレイヤーが体験するプランを考えます。その後、ユーザーインターフェースやアート、ビジュアル、アニメーションエフェクトに取りかかります。イベントの各UIには独自のビジュアル要素が用意されます(そう、プールパーティにもです)。

  • ほとんどの場合は他のチームと協力して追加の作業を行い、アート報酬やストーリー、コミック、さらにはシネマティックアニメーションなどを制作します!協力するチームの数が多いほど、プロジェクトは複雑になり、開発完了までに時間がかかります。

最終的に、全体の開発は最短で3ヵ月、複数の製品にまたがる大規模なものなら一年以上かかる場合があります。将来的にイベントの数を増やすだけでなく、質も向上させられるよう、私たちは常にチームの規模の拡大に努めています。

- Riot Junosaur, イベントリード

イベントの品質と実施タイミングを決める

私たちは、イベントはワイルドリフトの体験に一時的な刺激を加えるものだと考えています。イベントはワイルドパスやランクシーズンなどの他のシステムとは違い、より短い時間でやりこみを楽しみ、報酬を獲得できる方法であるべきだと考えています!つまり…コース料理のメインというよりは、ひと口サイズのデザートのようなものです。そのため、常にデザートを食べ続けていると特別感が薄れてしまう可能性があります。だからこそ、一年間を通して多くのイベントを実施するのと同じくらい、適切なペースや次のイベントまでの“クールダウン”期間が重要になります。これよってイベントの質を高めることに集中できるので、より良いアプローチだと考えています。

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季節に合わせた特別なものにするという理由以外にも、イベントでは複数のチームにまたがる多大な労力が必要となります。私たちも革新的なものは大好きなのですが、新しいメカニクスやデザインは開発に長い時間がかかってしまいます!過去のデザインを再利用することと、数を絞って革新性の高いイベントをリリースすることの間で常にバランスを取らなくてはなりません。どちらもそれぞれに好きなプレイヤーが存在することから、ここではバランスがカギになります。 

また、イベントはワイルドリフトの楽しい体験を作り出すための様々なシステムのひとつにすぎません。本作をより興味深く、楽しいものにするための恒久的な新機能導入を専門に担当しているチームが複数存在しますので、それらの機能を皆さんに届けることを楽しみにしています。

- Riot Junosaur, イベントリード

ミッションデザインの開発舞台裏

始めにお断りしておきますが、今回お話しするのはイベントミッションのことであり、その他のタイプのミッション(ワイルドパスやチャレンジミッションなど)のことではありませんのでご注意ください。各イベントが期間限定で独自のメカニクスを必要とすることから、私たちはそれぞれ異なる方針でデザインを行います。

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プレイヤーが自分の好きなプレイスタイルを維持したままイベントを進行させられることが重要になります。つまり、ジャングラーに大量のレーンミニオンをキルさせたり、サポートにトリプルキルを獲得させるようなことはありません。このようなミッション目標を導入することがあったとしても、「または」と付けてもっと幅広い別の達成条件を用意したり、すべての報酬を獲得するために必要なミッションではないようにしています。それを達成すればイベントを素早く進行させられるかもしれませんが、それをプレイしなかった場合でも進行が妨げられるようなことがあってはいけません。

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例えば、「プールパーティ」イベントでは、プリメイドグループでプレイするとXPを獲得できる「仲間と一緒に」というミッションと、味方チームの誰かがプールパーティスキンを使用するとXPを獲得できる「水着に着替えて」というミッションがありました。ソロプレイヤーが両方のミッションを完了するのは難しいため、「試合に1回勝利」のミッションで通常よりも多くのXPを獲得できるようにしました。また、イベントの開催期間を長くすることで、「試合に1回勝利」のミッションしか完了できないプレイヤーでもすべての報酬を手に入れられるようにしました。結果として、プレイヤーがどのようなプレイスタイルであったとしても、イベントを常に進行させることが可能だったと思います!

- Riot ShinKaigan, ゲームデザイナー

イベント報酬について

基本的に、イベントでは以下の報酬を用意しています。

  • 試合の内外で自己表現を行う手段
  • 獲得した報酬を通して思い出を振り返る手段
  • 様々な通貨(ブルーモートなど)やコンテンツ(チャンピオンなど)を獲得する追加の手段

チャンピオンプールを素早く拡大したいプレイヤーが多いことから、これまでのところはチャンピオンの報酬が多くなっています。イベント中にもっと試合をプレイしたいプレイヤーのためには、カスタマイズアイテム寄りの延長目標となる報酬を用意しています。だからこそ、アイコンボーダーや限定アイコン、ポーズなどは基本的に報酬コースの終盤に位置させています。

提供する報酬の数を決める際には、イベントの複雑さと難易度に注目する必要があります。小規模なイベントは複雑ではなく、完了が容易なので、プレイに長い時間をかけられないプレイヤーでも楽しめるようにしています。大規模なイベントは完了により多くの試合をこなす必要があり、ゲームプレイ以外のインタラクションが必要になる場合もありますが…その分、より多くの報酬が用意されています!一年間を通して適度な間隔でイベントを実施することで、常に新鮮さを維持して、誰もが楽しめるように心がけています。

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トリビア:月の聖獣イベントではトークンショップでザヤ、ラカン、バレンタインアクセサリー、月の聖獣アクセサリーが入手可能で、さらに延長報酬としてランダムなスキンが入手可能でした。十分なトークン数を獲得したプレイヤーのなかで、40%がランダムなスキンを入手し、50%が両方のチャンピオンを入手していました!(残りの10%はラッキーバッグやアクセサリー、ブーストを手に入れたようです!)

- Riot ShinsukeTakasugi, レベニューストラテジスト

スキンについて

プレイヤーが欲しがる報酬はさまざまですが、最も要望が多いのはスキンです。見た目のカスタマイズコンテンツと同様に、スキンも基本的には延長目標の報酬となっており、さまざまなイベントで比較的に注目される報酬となります。実は…プレイヤーのために、スキンはワイルドリフトの新たな製品やクールな体験に、継続的に再投資するための燃料となっているので、少なくともしばらくの間は、このスタンスを変えることはありません。

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チャンピオンやブルーモートと同様に、スキンはプレイするだけでゲーム内通貨(ポロエネルギーやポロコイン)を使って入手可能であり、これらはイベントを含むゲーム内のさまざまな場所で入手可能です。これは開発チームに以下のような自由度をもたらしています:

  • 「砕け散った刃」や「プールパーティ」などの複数イベントのように、時間をかけて次の無料スキン獲得に向けた恒久的なやりこみ要素を提供する
  • 「月の聖獣」(イベント通貨)や「光の番人」(ポロエネルギーとポロコイン)など、1回のイベント期間中にスキンを入手するチャンスを提供する

この2つのアプローチの間で、スキン獲得に向けた既存のやりこみ要素を補填して、一年を通してエキサイティングな大規模イベントでワイルドリフトをプレイするようにプレイヤーに促すことが可能になります。とはいえ、将来の報酬に新鮮さを加える方法は常に模索しています。新たな試みに挑戦し、データを検証し、皆さんのフィードバックに耳を傾けて改善を続けていきます!

- Riot ShinsukeTakasugi, レベニューストラテジスト

現在作業中の内容

現在は今年中にリリースされる、新たな形式とデザインを使用した特別なイベントの作業を行っています。きっと皆さんに楽しんでもらえると思います!ここまでの2021年、私たちはさまざまなことを学びました。皆さんが本作をプレイするのにあわせて、今後もさらに学び続けていくつもりです。現在は獲得したイベント報酬を見つけやすくしたり、受け取りやすくする作業に取り組んでおり、さらに来年リリースする新たなイベントのブレインストーミングをすでに開始しています。

皆さんの情熱とフィードバックをお待ちしております!これらすべては皆さんがいなければ実現できません。今後もハードルを上げ続けていきたいと願っています。再び今回のトピックについて話すことを楽しみにしています!最後までお読みいただきありがとうございました!それではまた!